名物とんてき 來來憲 | 鈴鹿が育てた登録商標の味、半世紀を超えるスタミナ定食の老舗

昭和の食卓から続く「とんてき」の登録商標と、その背景

高度経済成長期の鈴鹿で、汗を流す労働者たちが給料日に足を運んだという一皿がある。故・下田憲雄氏が生み出したトンテキの製法と精神を受け継ぎ、数年間の修行を経て1978年に商号登記を果たしたのが名物とんてき 來來憲だ。「とんてき」の登録商標を持つこの店は、元祖の味を途切れさせることなく半世紀近く営業を続けている。創業から35年以上、素材もタレも製法も変えていないという一貫した姿勢が、世代を超えた常連客をつなぎとめてきた。

本店ゆかりの客が「本店の味そのまま」と口にするという話は、取材前から耳にしていた。実際に店を訪れると、カウンター越しに見える調理の手つきには迷いがなく、個人的にはこの淡々とした所作にこそ継承の重みを感じた。鈴鹿サーキットから車で約15分というアクセスもあり、レース観戦帰りに寄るファンも少なくない。地元の日常食であると同時に、遠方から目がけて訪れる人が絶えない一軒でもある。

国産豚のグローブカットと契約農家の米

名物とんてき 來來憲のトンテキは、厚切りの国産豚をグローブ状にカットし、大粒のニンニクとともに秘伝のタレで焼き上げる。肉の産地やグラム数、タレの配合はすべて非公開。先代から受け継いだ工程を一切変えないことで、他の店舗では出せない味が維持されている。この「教えない」という判断自体が、製法への信頼の裏返しだろう。

定食に付く白ご飯は三重県産コシヒカリで、契約農家が肥料にカニの粉を混ぜて栽培したものを使用している。「ご飯だけでも美味しい」という声が目立つのは、この米の存在が大きい。濃厚なタレをまとった豚肉と、ほのかな甘みのある米とのバランスは計算されたものというより、長年の試行の結果に近い。

ビタミンB1とアリシンが支えるスタミナの根拠

豚肉に含まれるビタミンB1は牛肉や鶏肉の約10倍ともいわれ、ニンニクのアリシンと組み合わさることで疲労回復や滋養強壮への効果が高まるとされている。名物とんてき 來來憲のトンテキは、力仕事に従事する人や体力を消耗した日に選ばれることが多い。付け合わせのキャベツも大きな葉5枚で1日分のビタミンCを含むとされ、免疫や消化の面で役割を果たす。味だけでなく身体への恩恵が一皿に詰まっている構成は、もともと労働者の栄養源として生まれた料理の出自と重なる。

「畑の抗生物質」と呼ばれるニンニクの殺菌・解毒作用は、夏場のスタミナ補給にも向いている。暑い時期に来店する客が増えるという話も納得できる。脳の活性化にも寄与するとされるビタミンB1の摂取を、日常の食事で自然に行えるのは飲食店ならではの利点だ。

駐車場15台・テイクアウト対応の日常使いしやすい構え

東名阪自動車道名古屋西ICから約50分、駐車場は15台分を確保しており、車での来店が前提の鈴鹿エリアでは使い勝手がいい。店内は40席、二代目店主の紀平弘次氏を中心にスタッフが切り盛りしている。観光客だけでなく、仕事帰りや家族連れの地元客が日常的に利用しているという。混雑する時間帯を外して訪れるリピーターも多いと聞く。

テイクアウトメニューには餃子やチャーハン、焼きそばなどが並び、トンテキ以外の選択肢も揃っている。帰宅途中に立ち寄って家族の夕食を調達する、という使い方をしている常連がいるという話は、この店が「特別な外食先」と「日常の延長」の両方の顔を持っていることを示している。店内飲食だけでなくアルコール類の提供もあり、仕事終わりに一杯という需要にも応えている。

鈴鹿 トンテキ

ビジネス名
名物とんてき 來來憲
住所
〒513-1124
三重県鈴鹿市自由ヶ丘4丁目7−28
アクセス
TEL
059-374-0565
FAX
営業時間
定休日
URL
https://tonteki.net