三十種の純米酒が待つカウンター
棚に並ぶ酒の顔ぶれから、その店の性格は読める。居酒屋かけはしのカウンターには、辛口から甘口、燗向きまで常時30種ほどの純米酒がそろっている。浦霞や三千盛のドライ大吟醸、燗で映える天狗舞の山廃といった一本を、蔵人経験のある店主がその日の一皿に合わせて選ぶ。名古屋・栄で純米酒をじっくり飲みたい人には、通いがいのある品ぞろえだ。
迷ったときの入口になるのが飲み比べだ。3種セットは1,200円、時期限定は1,100円で、性格の違う酒を並べて舌で比べられる。而今の特別純米1,300円や蓬莱泉の空2,500円といったプレミアな棚も一杯から開くので、記念日の一献にも向く。銘柄は季節で入れ替わり、来るたび新しい名前に出会えるのも通う楽しみになっている。
日本酒の外にも用意された選択肢
居酒屋かけはしの品書きは日本酒だけで完結していない。嘉木園ブレンドの緑茶ハイ650円は麦焼酎に茶葉の香りをまとわせた一杯で、干物や燻製の塩気と噛み合う独自の存在だ。日本酒で温まった口をいったん切り替えたい時にも効く。ここでしか頼めない緑茶ハイを目当てに席へ着く常連も少なくない。
焼酎は米の鳥飼や芋の魔王まで幅を取り、嘉木園の緑茶割りを+55円で足せる。ウイスキーは角や知多をハイボールで、サワー各種は550円で軽く飲める。日本酒を主役に据えつつ、ウイスキーやサワーまで無理なく選べる構えは、同席者の好みが割れても収まりがつく。飲み口の入口を一つに絞らないのが、この店の使い勝手のよさだ。
料理と一杯を橋渡しする店主
居酒屋かけはしの飲み方は、店主との短いやり取りから決まっていく。好みや今日の気分を伝えると、頼んだ料理との相性を見て次の一杯を見立ててくれる。沼津・会津から届く干物や自家製燻製に、辛口の純米酒をきりっと合わせる——その采配が飲みの満足を左右する。正直、蔵の現場を知る人の提案は、家飲みとの差をはっきり感じさせてくれた。
栄駅から歩いて8分、夜長を預ける場所
店は名古屋市中区栄4丁目、栄駅12番出口から徒歩8分ほどにある。カウンター中心の約11席、営業は18時から0時まで、日曜のみ16時開店で月曜が休みだ。電子タバコに限り喫煙もでき、支払いは各種クレジットカードやPayPayなどのQRコード決済に対応する。予約なしでも入れるが、週末は一本電話を入れておくと確実だ。
少人数の店ながら、人数と予算に応じた貸切の相談にも乗ってくれる。会社の宴会や歓送迎会にはDAM AiR付きの空間が便利で、宴会コースは日本酒20種類以上の90分飲み放題込みで5,500円、1名から予約できる。一人の晩酌から仲間との集まりまで、栄での夜の預け先として使い分けやすい。


