飲む人も飲まない人も、同じ食卓で
ristorante ioのペアリングには、ひとつの思想が通っている。ワインを中心に組み立てたペアリングと並んで、ノンアルコールのペアリングコースが同じ重みで用意されているのだ。果実やハーブを使ったドリンクを一皿ごとに構成し直しているため、お酒を控えたい人も「もう一つのペアリングコース」として料理の余韻まで楽しめる。飲める人と飲めない人が、同じ体験を分かち合える。
ワインを飲む相手に合わせて自分だけ手持ち無沙汰になる、という場面は誰しも経験がある。この店ではそれが起きにくい。港区白金で、こうした配慮まで行き届いたペアリングに出会えるのは貴重だと感じた。
一皿ごとに選び直されるシェフのワイン
ペアリングに使うワインは、すべてシェフ自身が選んでいる。前菜からパスタ、メインへと続くコースの流れに沿って、料理の香りや旨み、余韻を引き立てる一杯が皿ごとに添えられていく。料理との相性を軸にした提案なので、「ワインに詳しくない」「合う一杯を知りたい」という人でも安心してゆだねられる。
単体で飲むワインとは別物だ。料理と重なることで新しい味わいや奥行きが生まれ、コース全体が豊かに彩られていく。素材の個性に寄り添わせるという発想が、この店のペアリングを単なる飲み物の追加ではなく、料理の一部として機能させている。
カウンターで味わう、旬の食材のコース
ペアリングの土台にあるのは、日本の旬の食材を取り入れたコース料理だ。シェフの手仕事による手打ちパスタやラビオリを軸に、前菜からドルチェまで一皿ずつ流れていく。素材の組み合わせや香り、温度の変化まで意識して構成されているため、コース全体がひとつの物語のようにつながる。カウンター中心の店内では、その仕上がりの様子を目の前で眺められる。
営業はランチ12:00〜15:00、ディナー18:00〜23:00で、定休は月曜とその他不定休。ディナーのコースは予約制、ランチのコースやアラカルトは予約なしでも利用できる。白金高輪駅から徒歩約10分という立地も、日常の延長で立ち寄るには程よい距離だ。


