修行で積んだ技術を、地元の食卓へ
星つきレストランという現場で細部への意識を磨き、フランスで本場の空気を吸い込んできたオーナーが、足立区綾瀬に開いたのが Bistro La Queue de Chat だ。その経験を高値の料理に変換するのではなく、地域の人が普段使いできる形で還元しているところにこの店の姿勢がある。自家製にこだわり、素材の持ち味を丁寧に引き出す調理スタイルで、前菜からデザートまで一貫したトーンで仕上げている。過度に演出するのではなく、味そのものに集中してもらえる皿を目指しているという考え方が、料理の端々からにじんでいる。
「フレンチ=特別な日のもの」という感覚が薄れていくのは、こういう店が地域にあるからだと思う。
専門調理師資格を持つオーナーのランチ構成
専門調理師の資格を持つオーナーが手がけるランチセットは、自家製前菜の盛り合わせ・パスタまたは鶏もも肉のビール煮から選ぶメイン・バケット・ドリンクの構成になっている。11:30から提供され、14:30がラストオーダーという時間帯は、週のなかで少しゆっくり昼を過ごしたい日に使いやすい設計だ。素材を活かした自家製料理が日常的な価格帯で食べられるランチとして、地元での認知が広がっている様子がうかがえる。「近所でこれだけの料理が食べられるとは思わなかった」という声が、初来店の人からよく上がるという話も聞く。
綾瀬駅から徒歩6分という距離は、ちょっとしたお昼の外出先としてちょうどいい。
リキュールまで自家製、飲み物への徹底した姿勢
Bistro La Queue de Chat では、ワインの選定だけでなく、リキュールや自家製シロップまで手づくりで揃えている。渡仏経験のあるオーナーが料理との相性を軸にセレクトしたワインは、組み合わせることで味わいが重なり合う変化を楽しんでもらうための提案になっている。食前・食後のドリンクも含めて食事の流れを丁寧に整えており、飲み物の面でも手抜きがない仕事ぶりだ。ノンアルコールドリンクも用意されているため、お酒を飲まないメンバーがいる場合も遠慮なく来やすい環境になっている。
ワインと料理に関するコラムをウェブサイトで発信しており、食事の前後に読むと味わいの背景が見えてくる構成になっている。
女子会から記念日まで、シーンを選ばない空間
肩の力を抜いたカジュアルな集まりにも、誕生日や記念日のような節目の日にも対応できる空間設計を意識している。どちらのシーンでも料理のクオリティが変わることはなく、自家製フランス料理を同じレベルで楽しめる点が、Bistro La Queue de Chat を「また来たい」と感じさせている一因のようだ。ディナーはアラカルト形式で21:30が食事ラストオーダーのため、ゆっくり過ごしたいグループにも余裕のある時間設計だ。定休日は第一・第三火曜日と水曜日で、祝日の週は変動があるためブログでの確認を案内している。


