駅前1分の立地で昼は喫茶、夜はバーに切り替わる二毛作スタイル
JR大久保駅から徒歩約1分。喫茶&BAR 黒羊は、日中はブレンド珈琲やカフェラテを軸にした喫茶店として営業し、夜になるとウィスキーやカクテル、本格焼酎まで揃うバーへと姿を変える。珈琲メニューだけでも水出し珈琲やスパークリング珈琲、珈琲フロートといった個性的なラインナップが並び、紅茶やメロンソーダなどのソフトドリンクも一通り押さえている。パスタはエビと卵のペペロンチーノ、生ハムのカルボナーラ、具だくさんボロネーゼなど種類が多く、1日3食限定の日替わり定食やベーカリーセットも用意されている。
夜のバータイムには、カシスやピーチベースのカクテルからテキーラ、イエーガーなどのショットリカーまで揃い、ボトルキープにも対応している。120分の飲み放題・歌い放題セットプランがあるため、二次会や仲間内の集まりで使う客層が目立つという声をよく耳にする。おつまみやご飯物もバータイム中に注文でき、飲みながら軽く食事を済ませたい人にも不自由がない。昼と夜で客層も空気感もがらりと変わるのが、この店の面白いところだと感じた。
カウンター中心の約20席がつくる距離感
約20席というコンパクトな空間に、カウンター席を中心とした配置が敷かれている。スタッフとの物理的な距離が近いため、珈琲の好みやその日の気分を伝えれば即座におすすめが返ってくる。BGMは控えめに設定されており、カウンター越しの会話が途切れにくい環境が自然にできあがっている。モダンさとアットホームさが同居した内装は、初来店でも構えずに座れる雰囲気を持つ。
一人で来た客が隣の席の常連と話し込み、気づけば連絡先を交換していた——そんなエピソードが珍しくない店だという。テーブル席も用意されているので、友人との会話に集中したいときや読書目的の来店にも使い分けられる。固定メニュー以外のリクエストにも応じており、近隣店舗からのデリバリーや取り寄せを手配してくれる柔軟さがある。「こんなもの食べたい」と伝えると動いてくれるスタッフの対応力に驚いたという利用者の声が複数見られる。
カラオケ・ゲーム・漫画が揃う滞在型の設計
店内にはカラオケ設備、Nintendo Switch、漫画コレクションが常備されている。新しいカラオケ機器を導入済みで、一人客でも気兼ねなく歌えるのが売りのひとつ。Nintendo Switchでは複数タイトルが遊べるため、ゲーム好き同士で盛り上がる場面もしばしば見受けられるようだ。珈琲やお酒を片手に漫画を読みふけるという、喫茶店とバーの中間的な過ごし方が成立する空間設計になっている。
個人的には、飲食店でここまでエンタメ設備を揃えている店舗は都内でもそう多くない印象を受けた。飲み放題・歌い放題の120分プランと組み合わせれば、カラオケボックス代わりに使う選択肢も現実的に成り立つ。テーブル席で静かに過ごす客とカウンターで歌う客が同じ空間にいるのは不思議な光景だが、約20席の規模感がそれを許容しているのだろう。滞在時間が長くなりやすい構造のため、時間を気にせず過ごしたい夜に向いている。
ステッカー特典と韓国語対応という独自の間口
来店するたびにステッカーが配布され、集めた枚数に応じておつまみ1品無料やショット1杯無料といった永続的な特典が受けられる仕組みを導入している。学生向けには学割も適用されるため、大久保エリアの若年層にとって通いやすい価格設計が組まれている。リピーターほど得をする構造は、常連客の定着率を高める装置としてうまく機能しているようだ。
店主が韓国語に堪能で、韓国からの旅行者や在住者が言葉の壁を感じずに利用できる点も見逃せない。韓国語での会話を楽しみたい日本人客が通っているという話も耳にする。新宿区大久保という土地柄を考えれば自然な流れではあるが、喫茶店兼バーで言語面のハードルがないのは利用者にとって心理的な安心材料になっている。ステッカーを集める過程で顔なじみが増え、国籍を超えた常連コミュニティが形成されつつある店だ。


