小鉢を選び分ける、おばんざいという楽しみ方
京都のおばんざいには、酒と料理の間を行き来する面白さがある。「小料理 はれ時々はれ」の丁寧に作られたおばんざいは、主張しすぎない上品な味付けと出汁の旨味が持ち味だ。京都の豊かな気候風土が育んだ地酒と合わせると、日本酒の繊細な香りや米の甘みが一段と引き立つ。最初の一杯から締めの一品まで、酒の味わいに合わせて小鉢を選び分ける。そんな飲み方ができる店だ。
おばんざいに使う野菜は旬のものを中心に据えている。季節が進むごとに顔ぶれが変わるため、通うたびに違う小鉢に出会えるのも通いがいのある点だと思う。
出汁の香りが迎える、カウンター8席の空間
店に入ると、仕込みの段階から漂う出汁の香りが迎えてくれる。福島鰹の削り節の芳醇な風味と、利尻昆布の豊かな香り。この二つが混ざり合った空気は、席に着くだけで気持ちを和ませる温かみを持っている。カウンターは8席のみ。こぢんまりとした規模だからこそ、料理と静かに向き合える。
京都駅八条口から徒歩3分の立地で、仕事帰りの短い一杯にも、腰を据えた晩酌にも対応する。営業は16:30から23:00まで、支払いは現金・クレジットカード・電子決済に対応している。
名物あら炊きと地酒、脂と酸のペアリング
締めに触れておきたいのが、名物のマグロのあら炊きと日本酒の組み合わせだ。じっくり煮付けたあら炊きは、マグロの骨や皮目からにじむ濃厚な脂と重厚なコクが持ち味。ここに地酒の爽やかなキレと適度な酸味が合わさると、口の中がさっぱりとリセットされ、次の一口へと箸が進む。魚は京都中央市場から仕入れ、鮮度のよい状態から調理するため、身はしっとり柔らかいまま仕上がる。所在地は京都市南区東九条室町31、定休日は不定休だ。


