炭火の遠赤外線が生み出す焼き魚の仕上がり
飯塚市の国道201号沿いに店を構える炭火焼食堂 いしかわ屋は、魚料理を中心とした定食を提供している。焼き場では一尾ごとに火加減を調整しながら、表面に香ばしい焼き色をつけつつ内部はふっくらと仕上げる手法をとっている。炭火の遠赤外線が余分な水分を飛ばしながら中心部まで熱を届けるため、身の柔らかさと皮目の食感が同時に成り立つ。調味料を最小限にとどめても魚自身の脂や旨味がしっかり感じられるのは、この焼き方あってこそだろう。
個人的には、種類の異なる魚を頼んだときに焼き上がりの表情がまったく違う点が印象的だった。脂の多い鯖と淡白な白身魚では火の入れ方を明確に変えているようで、それぞれの身質に合った仕上がりになっている。「ここの焼き魚は家では再現できない」という声が常連客の間で目立つのも頷ける。炭の香りがほのかに移った皮目を一口噛んだ瞬間、調理の手間が伝わってくる。
さばの塩焼き定食を筆頭にした家庭料理の品揃え
人気ナンバーワンに挙がるのは、さばの塩焼き定食。脂の乗った鯖を炭火でじっくり焼き上げた一皿で、ランチ帯を中心に注文が集中する。煮魚やエビフライなど調理法を変えたメニューも並び、同じ魚でも焼き・煮付け・揚げと違うアプローチで味わいの幅を広げている。からあげやチキン南蛮といった肉系のおかずもラインナップに加わり、魚が苦手な同行者がいても困らない構成になっている。
生ビールやサワー類に加え、ノンアルコールビールやソフトドリンクまで揃っているため、ドライバーや子ども連れの家族でもそれぞれの飲み物を選べる。デザートメニューも用意されており、食後にもう一品頼む楽しみが残る。「子どもが喜ぶメニューがあるので家族全員で来やすい」と話す利用者もいて、世代をまたいだ普段使いの食堂として機能している様子が窺える。
カフェ調の店内に40席、座敷やカウンターを配置
テーブル席は6名掛けが2卓と4名掛けが2卓、カウンターに8席、お座敷には4〜6名対応の席が2区画ある。総席数40席という規模で、一人の昼食からグループでの夕食まで座席の選択肢に困らない。お座敷は靴を脱いで上がるスタイルで、小さな子どもがいる家庭にとっては足を伸ばせる安心感がある。待合室も設けられているため、混雑する時間帯でも店外で待つ必要がない。
カフェのような明るい内装に仕上げられていて、いわゆる「定食屋」の重たい印象とはだいぶ異なる。女性の一人客やカップルでも入りやすい空気感だと感じる利用者が多いようだ。カウンター席では焼き場の様子を眺めながら食事ができるので、炭火で魚が焼かれていく過程を間近に見られる。こうした席の配置一つとっても、食事の時間そのものに変化を持たせようとする工夫が読み取れる。
新飯塚駅から車で約10分、国道沿いの利便性
営業時間は11時から21時まで、ラストオーダーは20時30分で揚げ物のみ20時締め切りとなる。定休日は火曜日だけなので、平日の昼食にも週末の夕食にも組み込みやすい。筑豊本線の新飯塚駅から筑豊緑地方面へ車を走らせて約10分、国道201号に面した場所にあるため初めてでも迷いにくい立地だ。駐車場を完備しており、車での来店が前提の筑豊エリアでは大きな利点になっている。
仕事帰りに寄る常連客の間では「国道沿いだから帰り道にそのまま入れる」という声がよく聞かれる。昼休みが短い人でも、幹線道路沿いという立地のおかげで移動時間を食事に充てやすい。夕方以降はアルコールを楽しむ客も増え、食堂と居酒屋の中間のような使い方をする人もいる。営業時間の幅が広い分、利用する側の都合に合わせやすい店舗運営になっている。


