フランス料理の技法が生んだ、もうひとつのとんかつ
低温の油で時間をかけて火を入れる。カツレツMATUMURA bis(中日ビルヂング店)が採用するこの調理法は、豚フィレ肉のたんぱく質を損なわず、しっとりした食感と肉汁の豊かさを同時に引き出すためのものだ。フレンチの基礎技術をとんかつに応用するという発想は、揚げ物の概念そのものを書き換えるほどのインパクトがある。仕上がった断面に浮かぶロゼ色は、職人が一枚ずつ肉の状態を見極めながら温度を調整した結果として現れる。
個人的には、衣の軽さに最も驚かされた。サクッと砕ける薄い衣の奥から甘みのある肉の旨味が広がり、重さをまったく感じさせない。口コミでも「とんかつに対する印象が変わった」という声が目立つ。ソースや付け合わせの構成にもフレンチの美学が反映されており、一皿のなかに複数の味覚の層が設計されている。
黒トリュフコロッケと定食、振れ幅のあるメニュー構成
開店以来のスペシャリテである黒トリュフコロッケは、フランス料理の王道食材を揚げ物に落とし込んだ一品で、リピーターの多さが人気を裏付けている。一方、ご飯と味噌汁が付く定食スタイルも用意されており、気負わず立ち寄れる間口の広さを持つ。フレンチ仕込みのコース料理まで選べるため、利用の目的によって注文の方向性をがらりと変えられる。ランチが11時から15時、ディナーが17時から22時の二部営業という時間帯の区切りも明確だ。
テイクアウトにも対応しており、名古屋市内であれば店の味を自宅で楽しむ選択肢がある。「仕事帰りにテイクアウトで買って帰るのが月1回の習慣になっている」という利用者の声も耳にする。店内での食事とはまた違った気軽さがあり、贈り物として購入する人もいるようだ。
自社開発・自社製造を貫く運営母体の姿勢
ラスアンテルナショナル株式会社が運営するこの店舗は、「自ら開発し、自ら製造し、自ら販売・提供する」という方針を経営の土台に据えている。外部委託に頼らず一貫して自社内で完結させる体制は、料理の品質を一定以上に保つうえで欠かせない仕組みになっている。「私たちにしか生み出せない価値を創造し続ける」という理念が、メニュー開発や調理工程の随所ににじむ。シェフ一人ひとりが技術を磨き続ける文化は、「想いが溢れて止まらない境涯の人をプロフェッショナルと呼ぶ」という社内の哲学に支えられている。
創業から積み上げてきたフレンチの技術体系が、とんかつという日本の日常食に転用されているという構図は珍しい。素材選定からソースの配合、付け合わせとの組み合わせまで、すべてが自社の研究と試行錯誤から生まれたものだ。こうした背景を知ると、一枚のカツレツに込められた工程の厚みをより実感できる。
栄駅地下直結、天候に左右されないアクセス
名古屋市中区栄4丁目、中日ビル3階。地下鉄栄駅の地下街と直結しているため、雨の日でも濡れずに徒歩約1分で到着できる。買い物や仕事の前後にふらりと寄れる距離感は、日常使いの店としても機能する立地だ。中日ビル提携の駐車場が複数あり、車での来店にも不便はない。
VISA・Mastercard・JCBといった主要クレジットカードに加え、交通系ICや各種電子マネーにも対応している。決済手段で困る場面はほぼないだろう。「栄で買い物した流れで寄れるのがありがたい」と感じる利用者も多いようで、ビルのテナントという立地が集客面で大きく効いている。


