炭火で仕上げる宮崎の郷土料理と創作メニュー
看板メニューのもも焼きは、一般的な焼き鳥とはまるで異なる調理法で豪快に炎をまとわせて焼き上げる一品。外側にしっかり炭火の香ばしさをまとい、中はジューシーさが残る仕上がりで、塩だけで食べても肉汁の旨味が十分に伝わってくる。しば漬け入りのピンク色のタルタルソースを添えたチキン南蛮や、ささみ・砂肝など部位を選べる鳥刺しといった定番も揃い、宮崎の食文化を幅広くカバーしている。炭火焼き魚や味の染みた大根をカリッと揚げるから揚げなど、創作系の一皿にも手を抜いていない。
個人的には、目の前でバーナーを使って仕上げる炙りしめ鯖の演出が印象的だった。外側がパリッとして中はふっくら、視覚と香りの両方で食欲をかき立てられる。素材そのものの甘みや旨味を引き出す方向に振った和食が中心で、価格帯もリーズナブルに設定されている。派手さより実直さが光る料理構成だと感じる人は少なくないはずだ。
九州産の芋焼酎を軸にした酒のラインアップ
宮崎限定でキレのある甘味が持ち味の「木挽」、地元で長年親しまれてきた「本霧島」、入手が難しいプレミアム銘柄の「伊佐美」など、九州産の芋焼酎を数多く用意している。それぞれの個性を把握した店主が、好みや料理との組み合わせを踏まえて一杯を提案してくれる流れだ。芋焼酎以外にもハイボールやカクテルが揃っており、焼酎に馴染みがない人でも困ることはない。料理に合わせて飲み方を変えていく楽しさが、この店の夜を長くさせる要因だろう。
5,000円(税込)の食べ飲み放題コースは、通常メニューとは別に相談ベースで対応してもらえる形式を取っている。会社の宴会や友人同士の集まりで利用するケースが多いという声が目立つ。テイクアウトにも対応しており、もも焼きやチキン南蛮を自宅で食べられるのは用賀近辺の住民にはありがたい選択肢。仕事帰りにさっと一杯だけ飲んで帰る「ちょい飲み」需要にもフィットする。
「いい夜」を店名に掲げる接客の流儀
「よかばん」は九州の方言で「いい夜」を意味する。店長の信樂龍一郎氏が掲げるのは、スタッフと来店客が名前で呼び合うほどの距離感が自然に生まれる空間づくりだ。バイク好きの店長がアクセル全開で切り盛りする姿勢がそのまま店の空気になっていて、初来店でもすぐ馴染めたと感じる利用者も多い。20代から幅広い年齢層が訪れ、一人飲みから女子会、宴会まで場面を選ばず使われている。
古い建物の骨格を活かしつつ照明で落ち着いた雰囲気をつくり込んでおり、古民家風の内装がどこか懐かしい。一人で静かに飲む夜にも、大人数でにぎやかに過ごす夜にも対応できる懐の深さがある。時代の変化に合わせて店のかたちは少しずつ変わっても、来てくれた人と一緒にいい夜をつくるという根っこの部分はぶらさないと店長は話す。
用賀駅徒歩5分・予約なしでも立ち寄れる居酒屋
東急田園都市線・用賀駅から徒歩約5分、世田谷区用賀4丁目13-12の1階に店舗がある。営業時間は18時から24時で定休日は不定休、支払いは現金とクレジットカードに対応。カウンター席とテーブル席があり、希望があれば予約時に席の指定も受け付けている。全席喫煙可、お通し代は一人500円(税込)。
予約は電話(03-6411-7767)や食べログから入れられるが、ふらっと予約なしで訪れても席が空いていればすぐ案内してもらえる。近隣住民が仕事帰りに寄るパターンが多いようで、常連同士の会話が自然に聞こえてくるような空気感がある。用賀周辺で宮崎の郷土料理を出す店は限られており、遠方から足を運ぶ来店者もいるという話だ。


