音楽留学がきっかけで生まれた一軒のドイツ料理店
ドイツへ音楽を学びに渡った店主が、現地で口にした郷土料理とビールに心を動かされたことが、Klingenthal(クリンゲンタール)の出発点になっている。飾り気のない家庭的な味、地元の人々が日常的に楽しむ食卓の風景——そうした記憶を日本で再現しようと、帰国後に料理の道へ進んだという経緯を持つ。看板メニューのアイスバインは、豚の骨付きスネ肉を数日間塩漬けにしてから下茹でし、自家製スープで6時間以上煮込んで仕上げる手間のかかった料理。箸を入れた瞬間にほどける肉の柔らかさは、初めて食べた人の印象に残りやすい。
石見ポークを使ったシュニッツェルも人気が高く、薄く叩き伸ばした肉に細挽きのパン粉をまとわせ、揚げ焼きにすることで外はサクッと中はジューシーに仕上がる。定番ソースのほか季節限定やオリジナルのソースも用意されていて、訪れるたびに違った組み合わせを試せる。個人的には、このシュニッツェルとドイツビールの相性が抜群で、つい追加で一杯頼みたくなる。常連客のなかには「毎回ソースを変えて全種類制覇したい」と話す人もいるそうだ。
冷蔵コンテナ直送と特注サーバーが支えるビールの鮮度
Klingenthal(クリンゲンタール)では、ドイツ本国から温度管理された冷蔵コンテナでビールを輸入し、店舗到着後もその温度帯を崩さずに保管している。特注のサーバーを導入することで、グラスに注いだ瞬間の泡立ちや香りの立ち方まで現地の水準に近づけている。醸造家が込めた意図をそのまま届けるために、輸送から提供までの全工程で鮮度を守る姿勢が徹底されている。樽生の状態で飲むドイツビールは、ボトルとはまた違った厚みのある味わいがある。
ボトルビールも常時20種類以上をストックしており、醸造所ごとの個性や歴史的背景を楽しめるラインナップが揃う。料理との相性を店主に相談しながら選ぶ客も多く、「普段は飲まない銘柄を勧められて新しい発見があった」という声が目立つ。ドイツワインやカクテルも取り扱っているため、ビールが苦手な同伴者がいても問題なく過ごせる。グループで訪れた際に全員が満足できるドリンク構成になっている。
25席のアットホームな空間と用途別の座席レイアウト
カウンター6席、テーブル席、掘りごたつ席(4名用×3卓)を合わせて全25席。木を基調にした内装で、初めて来た人でも気負わずに過ごせる空気感がある。一人でふらりと立ち寄りたい夜にはカウンターが心地よく、目の前で料理が仕上がっていく様子を眺めながら店主と言葉を交わす時間は、この規模の店ならではの楽しみ方だろう。掘りごたつ席は靴を脱いでくつろげるため、長時間の食事会にも向いている。
12名以上の利用であれば貸切にも対応しており、誕生日や記念日の会食で使う客層も一定数いるという。「掘りごたつ席で女子会をしたら、居心地が良すぎて閉店まで居座ってしまった」と笑いながら話す常連もいるらしい。少人数の宴会から個人の食事まで、座席の選択肢が複数あることで利用シーンが限定されにくい。
ランチの手軽さと宴会コースの充実度
昼はシュニッツェルやソーセージといったドイツの定番料理をランチ価格で提供しており、初めてドイツ料理を試す入口としてちょうどいい。ディナー帯になると飲み放題付きコースが2種類用意され、8,000円のコースではアイスバインを含む前菜からメインまでフルラインナップで味わえる構成。ザワークラウト、プレッツェル、ソーセージ盛り合わせといったドイツ料理の王道が一通り揃っている。もう少し軽く済ませたい場合は、生ハムやフラムクーヘンが入った6,000円のライトコースという選択肢もある。
獨協大学前駅西口から徒歩約9分、駐車場は2台分を完備。飲み放題付きのライトコースは普段の飲み会にも使いやすく、「コース料理というほど構えなくていいのが気楽」と感じる利用者も多い。週末のランチに家族連れで訪れるケースや、仕事仲間との軽い打ち上げに6,000円コースを予約するケースなど、使われ方は想像以上に幅広い。平日昼の時間帯は比較的空いており、一人でゆっくり食事をしたい人には狙い目の時間帯になっている。


